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ブログ

施設のできごとや行事、イベントなどの様子を更新していきます。
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ユマニチュード

2024-07-06
ユマニチュードとは「自分が正しいと思っていることと、自分が実際に行っていることを一致させるための手段」として技術を用いる哲学のことを指します。また、「人間らしさを取り戻す」という意味も含まれます。
 ユマニチュードには4つの柱(見る技術、話す技術、触れる技術、立つ技術)があります。それらはあなたを大切に思っていることを相手にわかるように伝える技術です。ここで重要なのは、この4つの柱は一つだけではうまくいかないということです。ケアをする時にはこの柱を同時に複数組み合わせて行うことが大切で、このことを「マルチモーダル・ケア」と呼びます。つまり「複数の要素を使ったコミュニケーションによるケア」を行います。誰かとコミュニケーションをとる時、私たちは無意識のうちに「言葉による」または「言葉によらない」メッセージを相手に伝えています。とりわけケアを行う時には「言葉によらない」メッセージが重要な役割を果たします。ユマニチュードでは、この言語・非言語メッセージを双方向に交わし合うコミュニケーションによって、ケアをする人とケアを受ける人とが良い関係を築くことをケアの目的としています。
 見る技術(同じ目の高さで見ることで「平等な存在であること」、近くから見ることで「親しい関係であること」、正面から見ることで「相手に対して正直であること」を相手に伝えることが大切。逆に、ベッドサイドで寝ている人に立って話しかける時、そんなつもりはなくても見下ろすことで「私のほうがあなたより強い」という非言語の否定的メッセージが届いてしまいます。)
 話す技術(ケアする時には「じっとしていてください」「すぐ終わります」などの言葉を発しがちですが、このような言葉にはそんなつもりはなくても「私は命令しています」「あなたにとって不快なことを行っています」というメッセージが言外に含まれてしまっています。これでは相手に優しさを届けることはできません。話すときは低めの声は「安定した関係」を、大きすぎない声は「穏やかな状況」を、前向きな言葉を選ぶことで「心地よい状態」を実現することができます。)
 触れる技術(ケアを行う時、例えば着替え、歩行介助等で私たちは必ず相手に触れていますが、その時相手を掴んでいることに私たちは無自覚です。掴む行為は相手の自由を奪っていることを意味し、認知症行動心理症状のきっかけとなってしまうこともよくあります。触れることも相手へのメッセージであり、相手を大切に思っていることを伝えるための技術を用います。具体的には、「広い面積で触れる」、「掴まない」、「ゆっくりと手を動かす」ことなどによって優しさを伝えることができます。触れる場所もコミュニケーションの重要な要素です。できるだけ鈍感な場所(例えば背中、肩、ふくらはぎなど)から触れ始め、次第により敏感な場所(例えば手、顔など)に進みます。)
 立つ技術(人間は直立する動物です。立つことによって体の様々な生理機能が十分に働くようにできています。さらに立つことは「人間らしさ」の表出の一つでもあります。一日合計20分立つ時間を作れば立つ能力は保たれ、寝たきりになることを防げます。これはトイレや食堂への歩行、洗面やシャワーを立って行うなどケアを行う時にできるだけ立つ時間を増やすことが実現できます。)
 ユマニチュードではすべてのケアを一連の物語のような手順「5ステップ(出会いの準備(自分の来訪を告げ、相手の領域に入ってよいと許可を得る)⇒ケアの準備(ケアの合意を得る)⇒知覚の連結(いわゆるケア)⇒感情の固定(ケアの後で共に良い時間を過ごしたことを振り返る)⇒再会の約束(次のケアを受け入れてもらうための準備))」で実施します。
 高齢者と手をつないで歩くことも大切ではあります。そのときに見る、話す、触れる、立つことを踏まえた対応が必要です。手を引く歩くと見ることができていません。常に真横で寄り添って歩くことが大切です。

体幹

2024-06-06
今回は「体幹について」特集していきます。体幹トレーニングは高齢者におすすめのリハビリです。体幹トレーニングとは、身体の中心になる部分を鍛えることです。高齢者が体幹を鍛えることは、転倒やケガの予防などにつながります。体幹とは手足や頭を除いた身体の中心になる部分で、首から腰にかけての胴体をさします。また、筋肉だけでなく、骨や重要な内臓も含めて、体幹です。心臓や肺、腎臓、肝臓、腸など、生命を維持するために不可欠な臓器が体幹に集まっています。体幹トレーニングは、胴体部分の筋肉を鍛え、身体のバランスを整えることが一番の目的です。使われていない筋肉を活性化させ、硬くなりがちな筋肉の柔軟性を高めることで、日常生活動作の向上を狙うことができます。期待できる効果として、体幹の筋肉が鍛えられると、身体を支える筋肉が強化され、柔軟性が向上すると言われています。そのため、姿勢が良くなったり、様々な動作に安定性が出たりすることが期待できるでしょう。姿勢の改善や動作の安定は、ケガの予防や腰痛の軽減などにもつながります。また、お腹周りの筋肉を鍛えることで、内臓の位置が正しい位置に納めることから、内臓のズレによって生じる便秘や消化不良などの不調の改善も期待できます。筋肉の衰えによる怪我の予防や痛みが改善するだけでなく、内臓にも良い作用があると言われているため、スポーツをする人だけではなく、様々な人の健康促進に有効です。
高齢者における体幹の重要性は高齢になると、身体の中心部分である体幹の筋肉が弱くなり、細くなることが一般的です。体幹の筋力が落ちると、姿勢が悪くなったり、歩くのが難しくなったりするため、日常の動作がスムーズに行えなくなるかもしれません。特に身体を支えたり動かしたりするのにとても大切な「お尻、背中、腰、背骨を支える筋肉」が弱くなりやすいと言われています。
高齢者におすすめの体幹トレーニングは3種類あります。
・脊柱起立筋を鍛えるトレーニング(ヒップリフト)
 仰向けになり、両膝を立てます。深呼吸をして、息を吐きながらお腹を凹ませます。腰と床の間に隙間ができないようにしましょう。5秒間数えながら、お尻をゆっくりと上げます。腰が反らないように注意しましょう。上げたら5秒数えながら、お尻をゆっくり元の位置に戻します。
・腸腰筋を鍛えるトレーニング(お尻歩きトレーニング)
床に座って脚をまっすぐ伸ばします。お尻の左右を交互に動かしながら、骨盤を少し持ち上げて前に進みます。同じようにお尻を動かしながら、今度は後ろに移動します。
・座位で出来るトレーニング(身体ねじり運動)
 椅子に座って背筋を伸ばして頭の後ろで手を組みます。右肘を左肘につけるイメージで斜めに状態を倒して戻します。反対も同じようにやってみましょう。これを10回繰り返します。
 他にも歩くときに背筋を伸ばすだけでも体幹を鍛えることができますので、実践していきましょう。

体幹

2024-06-06
今回は「体幹について」特集していきます。体幹トレーニングは高齢者におすすめのリハビリです。体幹トレーニングとは、身体の中心になる部分を鍛えることです。高齢者が体幹を鍛えることは、転倒やケガの予防などにつながります。体幹とは手足や頭を除いた身体の中心になる部分で、首から腰にかけての胴体をさします。また、筋肉だけでなく、骨や重要な内臓も含めて、体幹です。心臓や肺、腎臓、肝臓、腸など、生命を維持するために不可欠な臓器が体幹に集まっています。体幹トレーニングは、胴体部分の筋肉を鍛え、身体のバランスを整えることが一番の目的です。使われていない筋肉を活性化させ、硬くなりがちな筋肉の柔軟性を高めることで、日常生活動作の向上を狙うことができます。期待できる効果として、体幹の筋肉が鍛えられると、身体を支える筋肉が強化され、柔軟性が向上すると言われています。そのため、姿勢が良くなったり、様々な動作に安定性が出たりすることが期待できるでしょう。姿勢の改善や動作の安定は、ケガの予防や腰痛の軽減などにもつながります。また、お腹周りの筋肉を鍛えることで、内臓の位置が正しい位置に納めることから、内臓のズレによって生じる便秘や消化不良などの不調の改善も期待できます。筋肉の衰えによる怪我の予防や痛みが改善するだけでなく、内臓にも良い作用があると言われているため、スポーツをする人だけではなく、様々な人の健康促進に有効です。
高齢者における体幹の重要性は高齢になると、身体の中心部分である体幹の筋肉が弱くなり、細くなることが一般的です。体幹の筋力が落ちると、姿勢が悪くなったり、歩くのが難しくなったりするため、日常の動作がスムーズに行えなくなるかもしれません。特に身体を支えたり動かしたりするのにとても大切な「お尻、背中、腰、背骨を支える筋肉」が弱くなりやすいと言われています。
高齢者におすすめの体幹トレーニングは3種類あります。
・脊柱起立筋を鍛えるトレーニング(ヒップリフト)
 仰向けになり、両膝を立てます。深呼吸をして、息を吐きながらお腹を凹ませます。腰と床の間に隙間ができないようにしましょう。5秒間数えながら、お尻をゆっくりと上げます。腰が反らないように注意しましょう。上げたら5秒数えながら、お尻をゆっくり元の位置に戻します。
・腸腰筋を鍛えるトレーニング(お尻歩きトレーニング)
床に座って脚をまっすぐ伸ばします。お尻の左右を交互に動かしながら、骨盤を少し持ち上げて前に進みます。同じようにお尻を動かしながら、今度は後ろに移動します。
・座位で出来るトレーニング(身体ねじり運動)
 椅子に座って背筋を伸ばして頭の後ろで手を組みます。右肘を左肘につけるイメージで斜めに状態を倒して戻します。反対も同じようにやってみましょう。これを10回繰り返します。
 他にも歩くときに背筋を伸ばすだけでも体幹を鍛えることができますので、実践していきましょう。

新たな認知症観

2024-05-06
今年の秋ごろに認知症基本法に基づいて「認知症施策推進基本計画」が策定されます。その中で「認知症の人が基本的人権を有する個人として、認知症とともに希望を持って生きるという【新しい認知症観に立つ】」を理念に掲げることが協議されています。新しい認知症観とは「認知症になっても尊厳と希望を持って暮らせるという人権重視。認知症の人の症状のみに目を奪われず、人間そのものを見て、人間性を大事にしていくこと」を指します。
新しい認知症観の中に「認知症バリアフリーの推進」があります。「認知症バリアフリー」とは、移動、消費、金融手続き、公共施設など、生活のあらゆる場面で、認知症になってからもできる限り住み慣れた地域で普通に暮らし続けていくための障壁を減らしていくこと。
あるスーパーの取り組みとして、認知症サポーターの養成、地域の見守りネットワークへの参画等を行い、認知症の本人様・家族様との対話を行い、商品・売り場・サービスなどに関するニーズを汲み取り、ハード(施設整備等)とソフト(心や情報等)の両面で店づくりに取り組んでいます。中でも素晴らしいのは「おもいやり優先レジ」の設置です。ゆっくり会計ができるレジで、認知症のある方はご自分のペースで会計することができます。
 認知症バリアフリー社会実現のための手引きがあり、旅館・ホテル編には、様々な工夫が明記されています。例えば、「自分のロッカーがわからない」「どうやって開けるの?鍵を持っていない」等の声がありました。そのつぶやきを聞いたスタッフがどうしたら本人が自分でできるかを一緒に考えて、使い慣れている脱衣かごに変更したところ、困らずに自分の荷物のところに行くことができ、一人で着替えることもできました。旅館内のバリア解消の工夫として、昇降テーブルや介護ベッドの設置、売店の高さを車いすの方の目線に合わせる、露天風呂付の客室で浴槽そばまで車椅子で移動可能等、「心と身体を元気に」をコンセプトにするフルフラットな旅館もあります。
認知症のある方や車いすの方が生活しやすい環境づくり、関係づくり、状況づくりを社会全体で取り組んでいき、薬に頼らずに工夫や一緒に考えることで、その人らしく生活できる支援が当たり前になることを信じて取り組んでいきます。

私たちがついやりがちな考え方があります。それは高齢者の方に対して、やってみてできないと、もうできないと決めつけてしまうことです。できなかった時は一度振り返ってみてください。「方法が合っていないのかもしれない」、「やり方が難しいのかもしれない」等、できない理由を探してみましょう。すぐに諦めずに少し簡単な方法を高齢者の方と一緒に考える時間をつくりましょう。結果に目を向けるだけでなく、過程に目を向けることを意識して、できないからやらないではなく、どうしたらできるかを一緒に考え、実践していくことで身体面や認知面を維持することにつながります。役割ができると達成感や責任感をもつことにもなり、生きがいにもなっていきます。小さなことでも家事や趣味等に取り組んでいきましょう。

家事は運動

2024-04-06
自宅で過ごす中で掃除、洗濯、調理等の家事を行っている方はどれくらいおられますか?健康寿命(自立した生活を送れている時期を指す)を維持できている方は毎日の習慣である家事を行うことで、座ったまま過ごす時間が少ない傾向にあります。そうすることで軽めの身体活動をしていることにつながり、維持できているといえます。一つでもいいので家事を行い、役割をもつことも重要です。ぜひ実践していきましょう。
 一つの基準として、METs(メッツ)という単位をだして説明していきます。
 様々な活動がその何倍のエネルギーを消費するか示した活動強度を指すのがMETs(メッツ)。
1METs(安静に座っている状態)
3METs(散歩(ウォーキング)程度の歩行)
それでは家事は一体どれくらいの運動になっているのかみていきましょう。
 
➊料理
2.5 METs
野菜室から野菜を取り出したり、米びつからお米を出したりの用意の作業。皿洗い。
2.0 METs
調理(立ったまま食材を洗ったり、切ったり、炒めたりする)
3.0 METs
料理を運んだり、食器を用意したりする
※料理は時間がかかる家事なので、ちょっとした運動よりも消費カロリーが増える場合も多い。
 
❷洗濯
2.4 METs
洗い終えた洗濯物を干す
2.3 METs
乾いた洗濯物を取りこみ、畳んで、片付ける。
2.3 METs
アイロンがけ
※重いものや洗濯物の量が多い場合はさらに運動負荷があがります。
 
❸掃除
2.5 METs
ゴミ捨て
 
3.8 METs
風呂や浴室掃除
3.0 METs
窓ふき
3.5 METs
掃除機掛け
4.0 METs
庭掃除
5.3 METs
床掃除
※一日中掃除をした場合、一日中ウォーキングするよりも運動しているということになります。
 
自宅でできる運動として、手すりがついてある階段を使用した足上げ運動を推奨しています。階段昇降は筋力向上や可動域の維持につながりますが、危険もあります。そこで「階段の1段目を使用し、手すりをもって、足を交互に10回ずつ上げて、足を段の上にのせる」を繰り返す運動であれば安全に自宅で運動することができます。後はできるだけ30分に1回は立つ機会を設けることも大切です。例えば食事は必ず別室で食べるようにするだけでも移動することで運動につながります。実は転倒リスクを減らすために移動距離を減らしたり、動く機会を制限したりすることが逆に転倒リスクを高くしている可能性があります。やれることから取り組んでいきましょう。

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